「WB」vol.26配布開始

「WB」vol.26を、9月上旬より全国の設置店にて配布します(配布開始日は、各設置店様によって異なります)。
 
早稲田文学編集室公式サイト「WB vol.26」


 今号は、「早稲田文学5」刊行特別号。その表紙とグラビアを飾る松田青子さんと黒田夏子さんがWBにも登場! 松田さんは中篇小説「スタッキング可能」の冒頭もお届け! 第24回早稲田文学新人賞を受賞した黒田さんの「abさんご」とともに要注目です。全容は「早稲田文学5」でチェック!

 巻頭小説は、温又柔(おん・ゆうじゅう)さんの「カナの夏」。タイトルは主人公の横山佳奈と、ひぐらしの鳴き声から来ています。13歳のときに帰化した佳奈と家族にとって、日本での生活と日本語は驚きでいっぱい! 「ふつう」でないことで経験するたくさんの辛さと憤りが、やがて未来の期待と重なってゆく。個人的、ゆえに普遍的なドラマ。
 もう一方の表紙は、今日マチ子さん。電車を待つ高校生の男子女子の立ち位置が絶妙で、あれこれ妄想を掻き立てずにはいられません!
 特別寄稿は、ニューヨーク在住の文芸エージェントの大原ケイさんによるエッセイ。「現代日本文学翻訳・普及事業(JLPP)」が仕分けされることを受けて、日本文学を世界に広めてゆくために必要なことを、現場から語っていただきました。
 さらに、後藤明生『この人を見よ』応援企画もあるんです! 逝去から13年を経てなお愛され続ける「笑い」と「不条理」の作家をめぐって、佐川光晴福永信、玉川重機の各氏がクソ真面目にふざけてくださいました! 「初めての後藤明生」にうってつけの小特集です。

 いつもの連載もヒートアップ。
 斎藤美奈子さんの「旧作異聞」は、前号に続いて太宰治。今回は本命『津軽』の青森県金木町を訪れます。「ご当地文学」の極北を見るべし!
 一方、『私のいない高校』で三島由紀夫賞を受賞した青木淳悟さんの〈体育〉は、「池袋自主トレ風景」。炎天下をダウナー気味に歩く描写を通じて、読者の脳裏にも街の像が立ちあがってゆく。気分はもう合同自主トレ!?
 もちろん他の連載も好評掲載中!
 この機会にぜひお手にとってください!


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目次
温又柔「カナの夏」【小説】
斎藤美奈子「旧作異聞 ご当地文学篇(27) 太宰治津軽』」
佐川光晴・玉川重機・福永信「特集・後藤明生 追いかけ迷声新聞」
松田青子「スタッキング可能」(冒頭)【小説】
カーリル×WB ウチのオススメ(レシピ版)<図書>
大澤真幸 〈社会〉の思考 第5回 言語哲学の地平から〈未来の他者〉を見る<現社>
キョウミナヲ キョウの料理 第3回 立原正秋のインスタントラーメン<家庭科>
米光一成+ナカシマカズユキ Final Dragon Library World 8 ぼくは勇者に向いてない『姑獲鳥の夏』編<冒険>
青木淳悟 わたしたちの体育 第4回 池袋自主トレ風景<体育>
大原ケイ 日直から(5) Looking for the next Murakami――「熱意」と「売り込み」で世界への扉は開く<HR>
篠山紀信 【photo】p01作品
今日マチ子 【Illustration】p16作品