「WB」vol.25配布開始

「WB」vol.25を、5月下旬より全国の設置店にて配布します(配布開始日は、各設置店様によって異なります)。
 
早稲田文学編集室公式サイト「WB vol.25」


 今号の巻頭小説は、松田青子「博士と助手」です。
 とある「治療」を試みる博士・助手・被験者たちの珍妙なやりとりを描きます。「あるある!」と爆笑しつつ、我が身を振り返って反省すること必至。松田さんの既発表作品「マーガレットは植える」「もうすぐ結婚する女」とはまた別の魅力が味わえる短篇です。
 この連載は、「WB」や本誌「早稲田文学」など、あちらこちらでひょっこり掲載予定。お見逃しなく!

 そして続けてページをめくると、大変お待たせしました! 第24回早稲田文学新人賞速報です。受賞作、黒田夏子abさんご」の冒頭部分を、一足早くお届けします。「黒田夏子の『abさんご』が群を抜いて素晴らしかった」という選考委員・蓮實重彦さんの選評も同時掲載。
 受賞作の全文は、7月刊行予定の本誌「早稲田文学5」にてお読みいただけます。ご期待ください。

 さらに玉川重機「草子ブックガイド 早稲田文学編」。今回はJ・L・ボルヘス「バベルの図書館」をとりあげます!  ボルヘス描く無限の迷宮が、玉川さんの手によってイラストに!? PDFで公開中です。ぜひご覧ください。http://www.bungaku.net/wasebun/read/index.html
 ボルヘス「バベルの図書館」をとりあげる「草子ブックガイド」本編7冊めが、5月31日発売の「モーニング」No.27に掲載! さらに8冊めが6月7日発売のNo.28につづきます。今すぐお店に行くべし!

 6月19日は、太宰治の“桜桃忌”。「富士には、月見草がよく似合う」という一文で知られる太宰の『富嶽百景』ですが、実は!……と、名作の新しい姿を覗かせてくれる斎藤美奈子さんの「旧作異聞」、今回も辛口絶好調です。
 『道化師の蝶』で芥川賞を受賞した円城塔さんによるエッセイ「数学への長い道」、今回は 「好き、好き、もっと好き?」。数学が苦手な人、数学なんて役に立たないと思っている人、必読です。数学を知ると、愛がわかったりもするのです!
 連載エッセイはほかに、大澤真幸さん「経済学は物理学と同じか?」、八代嘉美さん「フランケンシュタインズ・クリーチャー」、望月旬々さん「『短篇五芒星』のジョナちゃん」というタイトルで掲載!
 「現代作家が選ぶ世界の名作リターンズ」では、小誌ウェブで「泥棒とイーダ」を連載中の牧田真有子さんがフランツ・カフカ「断食芸人」をとりあげます!
 
 毎号執筆者の変わる〈HR〉は、ウラジーミル・ソローキン「青脂」の翻訳者のひとり、松下隆志さんが執筆。ソローキンの魅力を、作家本人と会ったときのことを交え書いています。
 なぜこの時期にソローキンの話題かというと、ウラジーミル・ソローキン著、望月哲男・松下隆志訳『青脂』(仮題)が、河出書房新社より2012年8月刊行予定で製作中だからです! リプス!! ソローキンに爆笑させられたり、呆然とさせられたり、人生を変えられたりしたみなさん、お待たせいたしました。ソローキン未体験のかたは、まずは既刊の『愛』『ロマン』をお手にとってみてください!

 今日マチ子さんの表紙イラストも可愛いフリーペーパー「WB」、今号もこの機会にぜひお手に取ってみてください!


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「確実に手に入れたい!」「探す時間がないー」「バックナンバーもほしい」という方に。→定期購読のお知らせ


目次
【小説】
松田青子「博士と助手」
第24回早稲田文学新人賞速報
蓮實重彦 選評
黒田夏子abさんご」(冒頭)
牧田真有子 現代作家が選ぶ世界の名作リターンズ(4) カフカ「断食芸人」
斎藤美奈子「旧作異聞 ご当地文学篇(26) 太宰治富嶽百景』」
カーリル×WB ウチのオススメ(レシピ版)<図書>
望月旬々 げきからぶんがくにゅうもん 第08回 『短篇五芒星』のジョナちゃん<給食>
八代嘉美 我思う、ゆえに生命あり 第2回 フランケンシュタインズ・クリーチャー<生物>
大澤真幸 〈社会〉の思考 第4回 経済学は物理学と同じか?<現社>
円城塔 数学への長い道 第5回 好き、好き、もっと好き?<算数>
玉川重機  草子ブックガイド 早稲田文学編(6) ボルヘス「バベルの図書館」<国語>
松下隆志 日直から。(4) 腐ったブリド――混沌を見据える言葉<HR>
迫川尚子 【photo】p01作品
今日マチ子 【Illustration】p20作品