文学の祝祭に飛び込もう! グランタ・ジャパンをより楽しむための「文芸フェス」案内

好評発売中の『GRANTA JAPAN with 早稲田文学』第3号、今号の特集は「日本の若手作家ベスト11」です。ジャンルを越えて人気作家が夢の競演。お見逃しなく!
「日本の若手作家ベスト11」執筆:
川上未映子 米澤穂信 村田沙耶香 西加奈子 小山田浩子 松田青子 津村記久子 朝井リョウ 上田岳弘 温又柔 滝口悠生

さらに今号では、イギリス『GRANTA』本誌および『GRANTA』北欧3国版に掲載された作品を本邦初訳でお届けいたします。
ノーベル文学賞を受賞したトルコのオルハン・パムク、この3月に来日する中国系アメリカ作家のイーユン・リー、『ミレニアム』シリーズに続く北欧ミステリの俊英ヨハン・テオリンなど、実力派作家による10作品です。
『GRANTA』発の名短篇10 執筆:
オルハン・パムク イーユン・リー ゼイディー・スミス リュドミラ・ウリツカヤ チャイナ・ミエヴィル  ミロスラヴ・ペンコヴ ラッタウット・ラープチャルーンサップ ヨハン・テオリン タイナ・ラトヴァラ イングヴィル・H・リースホイ

今日は、そんな『GRANTA JAPAN』をより楽しむためのご案内です。

文学の祝祭 東京国際文芸フェスティバル2016

明日の3月2日から「東京国際文芸フェスティバル2016」がはじまります。
これは、「国内外の作家、翻訳家、編集者、読者たちが東京に集まり、さまざまなイベントを通して交流し、本の魅力に浸る、この国最大の文芸の祭典です」。

人は本を読むと人に薦めたくなり、語り合いたくなり、行動したくなります。本は本の中だけで完結するものではありません。
だからこそ、本が好きな人たちが集う本のお祭があってもいいと思うのです。
じつは、世界では30カ国80都市以上で国際文芸フェスティバルが開かれていますが、なぜか日本では長い間開催されてきませんでした。
それがようやく、2013年、日本財団の主催によって「東京国際文芸フェスティバル」がスタートしました。
そして2016年。1年間の充電期間を経て、更にパワーアップした文芸フェスが帰ってきました。
フェスのコア期間(3月2日〜6日の5日間)を中心に、60以上もの文芸イベントが各所で開催されます。
文芸フェス事務局の主催・共催イベントに加え、書店、出版社、大使館、企業、個人の方々によるオリジナルイベントが数多く企画され、
充実したラインナップとなりました。海外作家や国内作家のトークセッション、ポエトリーリーディング、朗読劇、ダンスパフォーマンス、
映画上映などなど、紙の本に収まらない彩り豊かなイベントが展開されます。ぜひ、興味あるイベントを見つけてお出かけください。
文芸フェスの主役は、イベントに参加いただくみなさんなのです。
東京国際文芸フェスティバル公式サイトより

全体のオープニングに先がけて、すでに始まっている催しもありますので下記のプログラムをご覧のうえ、ぜひご参加ください。
http://tokyolitfest.com/program.php

グランタ・ジャパン関連イベント

文芸フェスには、『GRANTA JAPAN』(と早稲田文学)の寄稿者も多数参加しています。ぜひ本書をもって、各イベントにご参加ください。

3月2日
オープニングでは、今号で「夢から夢へ」という思弁的かつ抒情的な短篇を掲載しているイーユン・リーさん。スマホ依存からの脱却を描いた「待つ」の西加奈子さん、ミロスラヴ・ペンコヴ「血の金」を訳した藤井光さんが登壇です。
http://tokyolitfest.com/program_detail.php?id=88

◆3月3日
「小説のVoiceはどこまで届くか?」は、イーユン・リーさんと川上未映子さん、小澤英実さんのトークです。川上さんはグランタ・ジャパン3号で「マリーの愛の証明」という、傷ついた女性たちの集う寮の物語を書いています。
http://tokyolitfest.com/program_detail.php?id=94

同じく3日の「海外文学女子会」は、松田青子さんと、山崎まどかさん、 西山敦子さんのトーク。松田さんには「女が死ぬ」を書いていただきました。女性に強制されるステレオタイプの物語を鋭く突く作品です。
http://tokyolitfest.com/program_detail.php?id=103

同日には、温又柔さんとシャマン・ラポガンさん、管啓次郎さんのトークも。温さんは「被写体の幸福」をご寄稿。台湾から留学してきた女性の日本への憧れと、彼女に向けられた日本の男性写真家のまなざしの交錯が描かれます。
https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-South-Store/20160210184307.html

◆3月4日
「クナウスゴール語る――『わが闘争 父の死』、ノルウェー文学、そして世界」では、ノルウェーの作家カール・オーヴェ・クナウスゴールさんと金原瑞人さんの対談。
『わが闘争 父の死』を訳した岡本健志さんはグランタ・ジャパン第3号で、やはりノルウェーの作家イングヴィル・H・リースホイの「みんなを助けてあげることはできない」を翻訳しています。
http://tokyolitfest.com/program_detail.php?id=135

同じ日の「ポストモダンの接続先。純文学の可能性」は、上田岳弘さんと滝口悠生さんの対談です。上田さん「重力のない世界」と滝口さん「犬の尻のあたり」をご寄稿いただきました。注目の新鋭二人のエッセンスのつまった短篇です。
http://tokyolitfest.com/program_detail.php?id=120

◆3月5日
ジョン・フリーマンさん、村田沙耶香さん、都甲幸治さん、市川真人さん、辛島デイヴィッドさんのトーク。村田さんは今号の「素敵な素材」に加え、第1号で「清潔な結婚」をご寄稿いただきました。イギリス『グランタ』のもと編集長のフリーマンさん、『グランタ・ジャパン』プロジェクトチームの市川さんと辛島さんも登場です。
http://tokyolitfest.com/program_detail.php?id=129

同じ日には「文学から見えてくる、中国と日本のいま」は、中島京子さんと盛可以さんの対談です。中島さんには、グランタ・ジャパン1号の「おぼえていること、忘れてしまったこと」にて、戦後から現代までの記憶の物語を書いていただいています。http://tokyolitfest.com/program_detail.php?

グランタ・ジャパン3号と東京国際文芸フェスティバルは、見どころ満載です。
ここで取り上げていないものも含めて、ここでしか味わえない喜びがつまっています。文学の祝祭に飛びこみましょう!

GRANTA JAPAN with 早稲田文学 03

GRANTA JAPAN with 早稲田文学 03