第24回早稲田文学新人賞 受賞作決定のお知らせ

早稲田文学4」誌上ほかで募集いたしました、第24回早稲田文学新人賞(選考委員・蓮實重彦氏)は、下記の通り決定いたしました。


受賞作 黒田夏子「abさんご」


受賞者プロフィール
黒田夏子(くろだ・なつこ)
1937年生(75歳)。東京生。早稲田大学教育学部卒。
教員、事務員、校正者などを経て、現在無職。


【受賞のことば(一部抜粋)】
 散文を書きはじめたのは五歳の夏でしたから, ちょうど七十年ということになります. 文字づかいもいまだに手さぐり途上ですがかなり変則です. かといってそういうことが目的なのではありませんから, 一見して目新しい体裁というわけでもなく, いくえにも発表のむずかしい長い年月がありました. このような作品がこの賞に出会えたのはまことに幸いだったと思います.


【選評・蓮實重彦(一部抜粋)】
 三百作を超える応募作品の中に、一篇だけ、「ため息」をもらさずに読み終えることなどとてもできない作品がしたたかにまぎれこんでおり、その作品をみたしている言葉遣いと語りの呼吸にはとめどもなく心を動かされた。その文字をたどりながら、何度か「ため息」をもらし、何度か「驚き」、これをおいて当選作などありえようはずもないと確信するのにさしたる時間は必要とされなかった。



「受賞のことば」と選評および作品の冒頭部分は、5月下旬配布予定の「WB」vol.25に掲載いたします。受賞作を全文掲載した「早稲田文学5」は、本年夏に発売の予定です。
第25回早稲田文学新人賞は、2012年末〆切で募集の予定です。選考委員・募集要項は、上記「早稲田文学5」にてお知らせいたします。今回ご応募の皆様に御礼申し上げつつ、新たなご応募をお待ちしております。

2012年5月9日
早稲田文学