「早稲田文学4」発売日、内容紹介!

こんばんは、ついに9月に入ってしまい呆然としている編集室Kです。
相変わらず変な時間の更新です。

すでにツイッター等でもお知らせしていますが、「早稲田文学4」は9月16日頃から全国書店にて発売です!
今号の表紙を飾るのは、巻頭小説と対談を寄せてくださった古川日出男さんと重松清さんです。

どうでしょう? 思わずのけぞるようなカッコイイ写真、撮影は篠山紀信さんです。


そして目次も公開。今号は特集1「震災に。」と特集2「シリーズ【日本“現代”文学の、標的=始まり】 §1出発点としての“大江健三郎”」の二本立て(詳しくは、下記をご覧ください)。

そのうち、ここでは「震災に。」をご紹介します。
まず震災直後にチャリティとして書かれた短篇から、阿部和重川上未映子、松田青子、牧田真有子の各氏の作品を。さらに、表紙の古川日出男重松清両氏の短篇を掲載。震災後に、小説家がどのような言葉を発したか、ご注目ください。
くわえて、古川・重松両氏の対談と、阿部・川上の両氏に、精神科医斎藤環氏、翻訳家・コーディネイターの辛島デイヴィッド氏、小誌プランナー/ディレクターの市川真人を加えた座談を掲載。いずれも長時間にわたる真摯な言葉の応答です。

「世界の被災地から」では、さまざまな災害を経て、人々が何を考え言葉を発し、語り継ごうとしてきたかを見てゆきます。チェルノブイリ、チリ、カンタベリー、四川、スマトラで、かつて生き、今も生きる人々の言葉に耳をすませ、今後の日本のことに、そして世界各地の被災地のことに思いを馳せましょう。

篠山紀信氏による東北の写真「ATOKATA」序章も必見です。
さらに、関東大震災後の作家とメディアの変化を追った十重田裕一氏、津波の被害にあった石巻阪神淡路震災から復興した都市を取材した西田亮介氏、長年核エネルギー問題を追い続けた武田徹氏の論考など、さまざまな角度から震災を捉えてゆきます。

お手にとっていただければさいわいです。
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早稲田文学 4号

早稲田文学 4号


早稲田文学4もくじ
【グラビア】
篠山紀信 「ATOKATA」序章
▼特集 震災に。
【対談】
古川日出男重松清 牛のように、馬のように――「始まりの言葉」としての『馬たちよ、それでも光は無垢で』をめぐって、そして「始まりの場所」としての福島/日本をめぐって、
【小説】
古川日出男 家系図その他の会話
重松清 また次の春へ――盂蘭盆
阿部和重 RIDE ON TIME
川上未映子 三月の毛糸
松田青子 マーガレットは植える
牧田真有子 合図
【座談会】
阿部和重川上未映子斎藤環+辛島デイヴィッド+市川真人 震災と「フィクション(言葉・日常・物語…)」との「距離」
【論考】
十重田裕一 被災した作家の表現とメディア――新感覚派関東大震災
西田亮介 東日本大震災からたどる特別な場所の、特別な記憶
武田徹 嘘が倫理を帯びる条件――『再臨界』を巡って
後藤繁雄 三・一一/写真/アート
【世界の被災地から】
松本妙子 先を歩む人々――チェルノブイリの生と死と愛
パブロ・ネルーダ  松本健二 訳・解説 天変地異
本浜秀彦 “集団自殺”するクジラと「鯰絵」的想像力
福島香織 四川大地震から生まれた文学――プロパガンダと哀悼
柏村彰夫 ただ悲嘆だけでなく――インドネシア短篇小説に描かれた被災者イメージの諸相
【インタヴュー】
川崎徹 江南亜美子 聞き手 記録、猫、小説
【小説】
神慶太 虹
▼シリーズ【日本“現代”文学の、標的=始まり】§1 出発点としての“大江健三郎
【日本で読む大江】
安藤礼二 大いなる森の人――大江健三郎
古谷利裕 極限で似るものたちがつくる場――「四万年前のタチアオイ」と「茱萸の木の教え・序」をめぐって
野崎歓 父と子――大江健三郎的小説の源泉
福嶋亮大 大江健三郎の神話装置――ホモエロティシズム・虚構・擬似私小説
武田将明 自分自身からの亡命者――『水死』と晩年性
芳川泰久 小説に現在おこっていること――大江健三郎の〈おかしな二人組〉へ/から
【世界が読むOE】
ノラ・ビーリッヒ 松永美穂 訳 鎖をつけて踊る――ある翻訳者の考察
久山宏一 本当のことを云おうか――ポーランド大江健三郎大江健三郎ポーランド
真島一郎 空白の地から――大江健三郎とアフリカ
アダマ・ソウ・ジェイ 真島一郎 訳 遠いセネガルの私――大江健三郎、あるいは人間の魅惑的な発見
アレクサンドル・チャンツェフ 貝澤哉 訳 叫びと応答の時代――ロシアにおける大江健三郎
徐恩恵 大江健三郎と私
閻連科 桑島道夫 訳 ポリフォニックな語り・重なり合いと照応その構造への鑑賞分析――『蟖たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』を例として
桑島道夫 絶望に始まる希望と小暗い情念――中国における大江文学
柴門明子 大江健三郎ポルトガル語で読む
【連載評論】
大杉重男 「日本人」養成ギプス――日本人の条件(4)
石川義正 中原昌也の「熱気球」――小説空間のモダニティ(2)
▼小特集 the century of McLuhan: 1911-2011
服部桂 蘇るマクルーハンとこれからのメディア
エリック・マクルーハン 宮澤淳一 訳 日本の皆さんへ――父マーシャル・マクルーハンの百回目の誕生日に
宮澤淳一 マクルーハン早わかり――理解を拡張させる最小限の知識
中澤豊 メディアの法則――もう一つのマクルーハンの読み方
服部桂 あなたは何に気づいていないのか
大黒岳彦 マクルーハンにおける〈不可視なもの〉
山本貴光 物質と記憶の未来
【連載翻訳】
ウラジーミル・ソローキン 望月哲男・松下隆志 訳 青脂 III [完結]
松下隆志 脱構築から再(脱)構築へ――『青脂』後のソローキン
クロード・シモン 芳川泰久 訳 農耕詩 IV


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